海岸走行は、もし干潮であれば比較的容易であり、快適なことが多い。
注意が必要なことはもちろんだが、警戒すべきは砂浜スタックくらいと思う。
しかし一旦潮が満ちてくると一変する。大変危険である。なぜなら走行ルートが海面下に没するからだ。出来るだけ避けたい状況であるが、 挑戦しなければならないとき以下に注意してもらいたい。
1.岬や断崖絶壁が海上にせり出している先を回りこむようなとき。海面下には必ず険悪な岩場が存在している。鋭角且つ大きな障害だ。こんなところでパンクはごめんこうむりたいしドライブトレインに重大な損傷を与えたくない。慎重・慎重・細心。そして止むを得ない時の非常手段と心得るべき。はじめて訪れる場所のときは絶対にやってはならない。先導車がある場合とか、干潮で同じルートを何度も実走している経験があるとか、が前提条件のルートである。
2.当地の海岸線は昆布の宝庫だ。ロシア人は誰も食べないため昆布が海岸線に沿って壁のように堆く連なっている時期がある。時折乗り越えねばならないが大変滑りやすくドライブトレインに絡まりやすい。陸側から海側へ乗り越す場合は比較的容易だが、海側から陸側へは難儀することが多い。留意すべき点だ。
3.海岸線では多くの小河川が海に注いでいる。大・中・小様々であるが時に深く、また川床が砂利あり、砂ありとバラエティーに富む。下見が必要であることはもちろん、河によっては渡渉ではなく、大きく海側に立ち込んでの回避が必要の場合がある。
いずれにしてもラインの下見は絶対に必要であり、経験者のアドバイスに基く実行が不可欠だ。
※サハリン本島は東をオホーツク海、西を日本海と間宮海峡。南部はアニワ湾を擁し海岸線の性格は一様ではない。ルートコンディションは様々であり海岸線走行が想定される場合はツーリングコーディネーターによる助言を得ることと、先導車に続いての走行が必要だ。
※海岸線走行の場合は、牽引ロープを手元に用意するか、予めヒッチ、フックに掛けておくことが求められる。波打ち際、渡渉中のスタックからのリカバリーは急を要する。